2023/02/25 13:36
細身のフローティングミノーはプロダクトルアーで盛りだくさんのラインナップが有りますが
シャッド系のフローティングミノーは意外と無いんですよね。
リップ付きであれば真っ先に思い浮かぶのがメガバスさんのFLAP SLAP SW(柊)です。
これは元々バス用として発売したものがSWモデルとして発売されたものでした。(多分)
かなり昔からあるルアーですが、巻き始めからグッと潜行して派手に泳ぐルアーですね。
シャローではダウンクロスに入ると巻かなくても泳ぐような波動が強いルアーだった記憶があります。
リップレスであればTOPに特化したものが多い印象です。
もちろん私が知らないルアーもたくさんあると思いますがそんな印象を持っていたので
普通にどんな場所でも使えるリップレスのフローティングシャッドが欲しいと思っていました。
あくまでもフローティング。
シンキングのシャッド系はいくつか優れたルアーが思い浮かびますが
やはりフローティング。
しかし潜行させることを目的として浮力は極力抑えめにしたスローフローティング設定です。
TOPには拘らず、巻けばすぐに狙いたいレンジまで潜行してくれるものが欲しいのです。
フロントアイの位置、ヘッド上面の形状、これは設計段階でほぼ決めていましたが
それだけでは泳ぎは決まらないのがルアーの難しいところです。
ボディを這うように流れる水の抵抗が作り出す(カルマン渦)が一体どうルアーの動きを左右するのか?
ボディのボリュームを持たせることである程度の重さを確保し、キャスト時の風を面で受けないように
丸みを帯びた形にしました。
ボールが良く飛ぶように、薄っぺらいものより丸いものの方が空気抵抗の中では良く飛ぶのです。
または矢のように方向性をはっきり持たせて、前影投影面積を少なくしたものが良く飛びます。
重心移動式ルアーもその考えです。
最初のテストはウェイトパターンをA、B、Cと3種。
それにプラスしてシンキングの設定も同様に3種作りテストを開始しました。
最初のテストは正直言ってがっかり。
思っていた泳ぎがまったく出ませんでした。
極端なS字、ジグザグに泳いでいると言ってよいほどの泳ぎでした。
ボディ、ヘッド形状、アイの位置がもつ特性が強く出て、少しのウエイトセッティングの違いではほぼ変わらないのです。
元々そのような泳ぎを目指したルアーであれば大成功と言って良い独特な動きで
ルアーとしては面白いかも知れないのですが、自分が思っていたものとは全く違いました。
さてどう進めるか?
体高のあるボディはそれがもつ基本的な性格が大きく左右するので
それを前提に次に考えることは
1、ヘッド形状の再考
2、ウェイト配置の再考
3、アイ位置の再考
浮き姿勢をやや前のめりで水平に近くし潜行しやすくするという設計コンセプトから、1と3はそのままで
2のウェイト配置を煮詰めていくことにしました。
こういう時はよっぽどのノウハウの蓄積が無い限り、ひとつひとつを煮詰めていくのが正解です。
2つ以上の項目に手を付けるとどの項目に手を加えたことが影響したのか分からなくなるからです。
ここからはシンキングのテストモデルは捨ててフローティングで絞っていきます。
最初のテストでAとCタイプは、姿勢が安定しない(状況により横になる瞬間がある)のでBタイプで進めていくことにしました。
F(フローティング)Bタイプの1~5までのテストでFB3が中々面白く、引くスピードや水の抵抗によってS字になったり
ウォブンロールになったりと多彩な動きを見せました(笑)
ただ、あまりにもその動きを調整できないのでもう少しウォブンロール寄りで安定させようとウェイト位置の調整をしてFB6と7を作成。
両者あまりに微妙なセッティングの違いで、何がどう違うのかが分からないですが安定方向に行きながら
不安定さも残していてどちらでも良いかなという結論になりました。
流れの当たり具合によって変わってきますが、スローの時はS字っぽい動きが入る速度域があり、
早めに引くとウォブンロールの動きになります。
速めに引いても破綻することなくたまに軌道を外す感じで泳ぎます。
ルアーはフルキャストした先と手元から近い距離だと、ラインテンションや角度の違いで動きが違ってきますので
実際のフィールドでどうかを早急にテストしたいと思います。
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