2023/04/30 20:34
ルアーパッケージは角留め(すみどめ)箱という形式の箱を使用しています。
これは、箱の角(かど)をホッチキスを90度に曲げて留めることから角留め箱と言われています。
昭和の時代には多く作られていた箱らしいのですが、手動の機械で作るこの箱は生産効率を求める時代の流れでだんだんと廃れて行き、今ではこの箱を作れる工場は全国でも数えるほどしかないという事です。
私は永年やっていた仕事柄、パッケージデザインにも接することが多くありましたが、正直この角留め箱に出会ったことはありませんでした。
このようにホッチキスを90度に曲げるのでは無く、重ねた紙を角近くで留める箱は平留め箱というそうですが、それは昔良く見たような気がします。
ルアー工房を始めるにあたり、ルアーのパッケージングをどうしようか?とネットで探し回っていた時にこの箱を見つけたわけですが、
そのレトロな雰囲気と手作り感に目を奪われて、これしかないかなという思いになりました。
手動の機械で職人さんが感覚と技術で作り上げるこの箱に、ハンドメイドルアーに共通するものを感じました。
永年グラフィック系の仕事に携わってきましたが、クリエイターはアーティストではありません。
数々の条件や制約の中でモノゴトをアレンジして仕事を完成させていくものです。
良い悪いの話では無くてそれが当たり前の事で、そこがアートと言われるものとの決定的な違いです。
ルアー工房を始めて全て自分が思うものを好きな形に作れるようになった立場で、
(自己の欲求を満足させるために)パッケージも納得のいくものを自分の好みで作ってみました。
製作していただいたのは日本でも数少ないこの箱が作れる工場のひとつ高知県の有限会社チカモリ様です。
ありがとうございました。